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相続の開始

相続とは

「相続」とは、ある人が死亡したときに、その人の財産的な地位を、その人の配偶者や子など一定の身分関係にある人が受け継ぐことをいいます。

死亡した人のことを被相続人、被相続人と一定の身分関係にある人のことを相続人といいます。

被相続人から相続人に受け継がれる財産のことを相続財産とか、遺産といいます。

相続する財産には不動産や現金などの積極財産(プラスの財産)だけではなくローン、借金などの消極財産(マイナスの財産)も含まれています。

相続の開始

相続は、死亡によって開始します。(民法第882条)
旧民法の家督相続のもとでは、戸主の死亡のほか、「隠居」という制度があり、戸主が生前に「隠居」すると相続が開始しましたが、現在の民法では生前相続の制度は廃止され、相続は被相続人が死亡したときにのみ開始します。
なお、相続は強制されるものではありませんので、3ヵ月以内であれば限定承認又は相続放棄することができます。

生死不明者の相続を開始するには

生死不明者の相続を開始する場合は、民法では一定の手続きを行って、生死不明となっている人をある時期に死亡したものとみなす失踪宣告という制度を利用する事になります。

失踪宣告の制度とは、生死不明となっている状態の人が、法律に定められた一定期間、生死不明な状態が続いた場合に、配偶者などの利害関係者が家庭裁判所に審判申し立てを行い、家庭裁判所において、一定の期間公告をした上で失踪宣告を行うことをいいます。

失踪宣告の審判申し立ての時期は、普通失踪の場合には、生死不明になってから7年以上経過後、戦地に臨んだ人や沈没した船にいた人などのように死亡した可能性が特に高い危難失踪の場合には、生死不明になってから1年以上経過後とされています。(失踪の宣告・民法第30条)

家庭裁判所において失踪宣告が行われると、普通失踪の場合は7年の失踪期間が満了したときに、危難失踪の場合にはその危難が去ったときに、死亡したものとみなされ、このとき初めて相続が開始することになります。(失踪の宣告の効力・民法第31条)

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